久々にビビッと来るビジネス本に出会えたので、すこしばかり引用を。
それは「われわれの基本戦略は、顧客中心の仲介サービスを提供することである」というものである。「仲介サービス」というのはなかなか響きの良い言葉だが、要は金を預かって貸し出すということで、銀行の本業にほかならない。「顧客中心」は最近の大流行の言葉で、サービス業なら改めて言うまでもないことである。ひょっとすると、より良いサービスを提供して顧客拡大をめざすという意味かもしれないが、そうだとしてもどこでもやっていることで、これだけで差異化が図れるとは思えない。要するに「顧客中心の仲介サービス」はまったく中身のない言葉である。この銀行の戦略から厚化粧をはがせば、「われわれの基本戦略は銀行であることである」となってしまう。
痛快。顧客中心ってバズワードになっているが(今はもう落ち着いたかな?)、よくよく考えたら顧客中心じゃないビジネスっていったい何なんだという話。ただ、いままで顧客中心なビジネスをしていなかった業界に斬りこむ場合もあるので、そういうときに差異化になるのかな。
がんばることは人生において大事ではあるが、「最後のひとふんばり」をひたすら要求するだけのリーダーは能がない。リーダーの仕事は、効果的にがんばれるような状況を作り出すことであり、努力する価値のある戦略を立てることである。
その通り、という感じ。
分権化が進んだ企業の場合、新製品が投入されると、製品群の位置づけや棲み分けは曖昧になりやすい。
権限委譲のデメリットのひとつ。意識しないとなー。
シャーロック・ホームズがワトソンによく言うように、「見ているだけではだめだ、観察しなければいけない」。
これはかっこいいなと思ってメモった。
目先のことや最初の思いつきに迷わされずに自分の考えを導くためには、三つの習慣をつけるとよい。第一は、近視眼的な見方を断ち切り、広い視野を持つための手段を持つこと。たとえばリストは良い方法である。第二は、自分の判断に疑義を提出する習慣をつけること。自分からの攻撃に耐えられないような論拠は、現実の競争に直面したらあっさり崩壊してしまうだろう。第三は、重要な判断を下したら記録に残す習慣をつけることである。そうすれば、事後評価をして反省材料として活用できる。
第三が特に気になった。失敗を推奨する会社はこのところ多いけども、きちんと振り返りを行わないと会社としてのノウハウとして積み上がっていかない。