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「パクり」はなぜ悪なのか

ここ最近、Webサービスとかソーシャルゲームとかを見ていて「パクり」についてちょっと思うことがあった。

例えば、自分が日本向けのWebサービスを展開していて、そこそこ儲かっているとする。しかし、ある日突然外国で、とても似たようなサービスが展開されてしまう。

面倒な訴訟の上、差し止めることはできるかもしれない。
でも、それってさっさと国外展開しなかった自分の責任なんじゃないのって思うわけです。

パクられるってことは、認められた上で、オリジナルでは不満足であるってことで。
今までだってそうやって、いろんな製品が成熟してきたんだと思う。
(これはここがいいよね!でも、もうちょっとこうした方がいいんじゃないの?とかね。特に日本の場合だと、言語の問題もありますね。)


ソーシャルゲームを例に出しちゃうけど、FarmVilleもサンシャイン牧場も似てるし、牧場系っていうジャンルができるくらいいろんなものがある。もはやどれがオリジナルだったか僕は知りません。
コンシューマゲームで言うRPGっていうジャンルができたという感じじゃないのかな。

なので、個人的には普及させたもの勝ちじゃないかな、ってのが正直なところです。
市場は思った以上に正直だし、コンテンツメーカー側はコンテンツの内容を充実させることはもちろんですが、如何にスマートにデファクトをとるかってところにも知恵を絞るべきかと思います。

TGS2011でGREEの田中社長が、業界を震撼させるような発言をして少し話題になっています。タイトルがちょっと釣りっぽいのですが、よく読むとそこまで突飛なことは言ってないと感じます。

「重要だと思うのは、あるゲームデザインが流行ったときには、それをコアにしていろんなモチーフのゲームを作るべき。作り手は飽きてしまうので、『新しいものを』という考えになりがちだが、ユーザーとしては『まだまだ同じものが欲しい』という状態である。そういうとき(作り手)は早く変化しすぎずに、(ユーザーが)いま欲しいと思っているものを提供するべき」

ニコニコニュース – グリー田中社長「あるゲームが流行ったら、同じようなものを作りまくるべき」

ちなみに過去にZyngaのCEO、Mark Pincusも以下のような発言をしている(らしい)。元従業員とやらが言っていたみたいなので、誇張されているかもしれないですが。

mark pincus

“I don’t fucking want innovation,”
“You’re not smarter than your competitor. Just copy what they do and do it until you get their numbers.”

俺は革命とかそんなもんはいらねえ。
お前はヤツらより頭が良くないんだから、ヤツらの会員数を超えるまでただコピーしまくればいいんだ。

SFWEEKLYNews – FarmVillains

これもGoogleの経営理念の正反対を行くDo Evilだとか言われ、結構叩かれた。でも、叩いてるユーザだってFarmVilleで遊んでるんだよね、きっと。

そもそも何故パクりは絶対悪のようになってしまっているのか。
どんな意見があるのかなーと調べていると、ひとつ面白い意見があったので紹介したい。

現代の最先端技術は、昔と異なり、非常に開発コストがかさむ。
数百億円~数千億円の資金を投入して、新しい装置、ソフトウェア、精密機械が開発される。
パクリというのは、その開発費用をかけずして、他人の成果を無償で使用し、販売する事である。
当然、開発費用の分だけ、製品価格も低く抑えられる事になる。
消費者は、同じ物を安く手に入れられるのである。

そこだけに着目したらいい事だが、実は、パクリによって、社会的にでっかい損失を引き起こす可能性がある。
開発力のある企業が、投資が回収出来ずに倒産する可能性である。
分かるだろうか?

パクリは、オリジナルがあって始めて成立するのだが、パクリ市場が巨大化する事で、オリジナル市場が崩壊してしまうのである。
そうなると、誰も開発しなくなってしまう。
社会の技術的発展のプロセスが、成立しなくなってしまうのである。

この点から、パクリはやってはならない事だと、私は思う。

中国雲南旅日記 – パクリはなぜダメか

なるほどたしかにこういう開発コストが非常にかさむ研究などは特許で保護されるべきだと思う。

ただ、今ありとあらゆるモノの開発コストは格段に下がってきているし、この加速は止まらないだろう。
だからこそ、スピード勝負であり、頭脳が勝敗を分けると思うのです。

もちろんオリジナルの美学は理解しています。ユーザが何を求めているのかをただただ正直にプロダクトに落としこむ、という発想をすると今売れている他社製品をコピーする、というのは単純に近道なんじゃないかな、と思うわけです。

賛否両論ありそうですがねー。

さらに調べていると、これは!と思う名言を見つけた。
うーん、俺が言いたいのはこれに尽きるのかもしれない。

確かに盗作した。だが俺の書いたものの方が面白い。

[出典]
アレクサンドル・デュマ(19世紀フランスの小説家、1802~1870)
盗作の裁判にかけられて